なぜロシアの人々は

笑わないのか…笑顔は
必ずしも「幸せ」ではない
http://gigazine.net/news/20171022-russians-never-smile/
理由もなく笑うことは
ロシア人のスキルではなく、笑顔を
向けられると親密さを強制されている
ように感じるという。
ポーランド科学アカデミーの心理学者
であるKuba Krys氏は、そんな笑顔に
ついて研究しており、文化によっては
笑顔が尊敬や温かさの表れとして受け
取られないことを指摘しています。

Krys氏は不確実性の回避に焦点を
当てて調査を実施しました。不確実性の
回避とは曖昧・未知の状況に対して
寛容か、それとも脅威を感じるのか
を示す言葉で、不確実性の回避傾向が
高い国は不確実性を減らすために規則・
仕組み・約束事が必要とされます。
一方で、不確実性の回避傾向が低い国は、
裁判・ヘルスケアシステム・セーフティー
ネットなどが不安定な社会システムを持ち、
ゆえに人々は未来について「予想がつかず、
制御できない」と考える傾向にあるとのこと。
笑顔とは確実性や信頼のサインであるため、
不確実性の回避傾向が低い国で人々が笑顔に
なることは奇妙なものとして見られます。
これは、オオカミに食べられる運命が分かっている
状況で人が笑顔を見せるようなもので、不確実性の
回避傾向が低い国では、笑顔は愚かであることの表れ
と捉えられることさえあるとのこと。Krys氏は、
みんなが互いをだまそうとしている国において笑顔を
向けられた時、人は相手が自分によい意図を向けて
いるのか、それともだまそうとしているのかが
分からないとして、「不確実性の回避傾向が低い
国では、笑顔はしかめつらに等しいのでは」と
仮説を立てました。
Krys氏はこの仮説を検証するため、世界44カ国の
数千人を対象に、笑顔と笑顔ではない表情を写した
複数の写真を見せ、それぞれの表情について被験者に
「誠実さ」と「知性」を評価してもらいました。
その結果、ドイツ・スイス・中国・マレーシアという
国では、笑顔の写真は笑顔ではない表情の写真より、
知性が高いものとして評価されたとのこと。一方で、
日本・インド・イラン・韓国・ロシアなどでは、
笑顔の写真が知性の低いものとして評価される傾向に
あることがわかりました。経済状況といった要素を
考慮しても、社会の不確実性と「笑顔は知性が低い
」という2つの間には関係性が見られたそうです。
この研究は、社会レベルにおける退廃が、笑顔の
さように進化において重要な意味を持つものの
シグナルを弱めていることを示します」とKrys氏は語ります。

このほか、(PDFファイル)別の研究においては、
文化における階層や男らしさが、笑顔を含む感情
表現のとらえ方に影響を与えている可能性が
示されています。また、幸福について重きを置かない
文化では、笑顔を見せる頻度なども変わって
くるだろうとみられています。ただし、不確実性の
回避を測る指標は複数あり、別の方法で
各国のランキングを作ると異なった結果になる
ことについてもKhazanさんは言及しています。