日本の一番長い日

戦争ドキュメンタリー映画
ポツダム宣言を受諾した
天皇の御前会議(8月14日
正午)から玉音放送(8月
15日正午)までの24時間を
描いた映画。映画の展開
としては前半と後半に別れる。
前半は御前会議から玉音
放送の録音まで。後半は
録音からその放送まで。
https://mobile.twitter.com/kikuya_sumireya/status/1146417032860016641

前半、個人的に非常に
興味深かったのは「戦争
終わらせるのって
こんなに手続きが多いのか」
という点。映画の序盤で
すでに原爆投下、ソ連
参戦、ポツダム宣言受諾が
決まっているんだが、
それからの手続きが長い。
敗戦をどう国民に告げるか、
玉音放送は陛下が直に
ラジオで話すのか録音か、
玉音放送の文面は
https://mobile.twitter.com/kikuya_sumireya/status/1146417033715650561

どうするか、その他諸々を
軍や政府の上層部が各々の
立場から激論を繰り広げ
玉音放送の作成するのが
映画の前半部分。個人的に
一番印象に残ったのは、
玉音放送の文面を決めて
いる時、敗戦の理由を
「戦勢非にして」に
しようとする海軍大臣と、
それに大反対する陸軍大臣
「戦勢非にして」だと
https://mobile.twitter.com/kikuya_sumireya/status/1146417034500030465

日本が負けたような印象を
与えるから駄目だと。
それを聞いて海軍が「いや
実質もう負けてるだろ」
ってめっちゃキレるわけ
だが、海軍と陸軍は戦争に
対する立場が結構違う
らしく、陸軍はあくまで
戦争=本土決戦という
イメージで戦ってきてる
から、本土決戦で負けて
ないんだからまだ日本は
負けていないって
https://mobile.twitter.com/kikuya_sumireya/status/1146417035309490176

スタンス。南方や沖縄では
確かに負けたけど、それは
あくまで局地戦での敗北、
陸軍はずっと本土決戦の
つもりでやってきたから
負けたとか言いたくない、
と。それで海軍大臣
「南方、沖縄の前線、
民間人も合わせて三百万人も
死んでるのに、まだ自分達は
本気出してないから
負けてないとか何言ってるの」https://mobile.twitter.com/kikuya_sumireya/status/1146417036123238400

ってキレる。でも陸軍
大臣も「その三百万人
みんな日本のために死んで、
今でも七百万の兵士が
日本の勝利を信じて戦ってる
のに、実はもう負けて
ましたとか、お前こそ
どの面下げて言ってるの」
ってキレて平行線。こんな
感じで玉音放送の文面だけで
かなりの時間が割かれる。
皮肉なことに
上層部がこういう
https://mobile.twitter.com/kikuya_sumireya/status/1146417037008261132

議論をしている間、末端の
兵士や民間人は明日終戦
なることも知らず、少年兵が
帰らぬ出撃に行くシーンが
挿入される。あと半日早く
終戦になれば皆死ななかった
と思うとやりきれない。
こんな感じで前半が終わり、
なんとか玉音放送の録音
完了。録音はレコードに
焼いて15日の正午に
全国放送と決定。
https://mobile.twitter.com/kikuya_sumireya/status/1146417037842903040

そして後半、明日終戦
なるということを知った
青年将校たちが、「え?
本土決戦するんじゃないの?
なんで上層部はいきなり
敗北主義者みたいに
なっちゃったの?日本は
まだ戦える。終戦断固反対」
と立ち上がりクーデターを
起こそうとする展開。青年
将校のメインキャラ達が近衛
師団なんだが、近衛師団https://mobile.twitter.com/kikuya_sumireya/status/1146417038799147008

師団長はけっこう冷めてて、
戦争継続を望む青年将校
たちの意見に耳を貸さない。
口論の末、将校は師団長を
殺害し、師団長の名を語った
嘘の戦争継続を命令する
書類で他の部隊を焚き付け
クーデターを起こすんだが、
問題なのは例の玉音放送
玉音放送で陛下が終戦
宣言したら、自分達の
嘘がバレてしまい、
https://mobile.twitter.com/kikuya_sumireya/status/1146417039705174016

誰もクーデターに賛同して
くれなくなる。そんな
わけでタイムリミットは
15日正午の玉音放送
それまでに将校たちは
クーデターを成功させ
玉音放送を阻止し、戦争を
継続しなくてはならない。
そんな青年将校たちの
狂気と情熱の奮闘が後半の
展開。最終的には歴史が
示す通りクーデターは失敗し、https://mobile.twitter.com/kikuya_sumireya/status/1146417040548229120

将校たちの嘘はバレ、他の
部隊は付き合ってられんと
皆離れていく。最終的に
なりふり構わずバイクと
拡声器とビラ配りで民間人
たちに戦争継続を訴えるも
何も変わらず、将校たちは
自害。陸軍大臣も自宅で
切腹。正午になり、皆の
遺体を映しながらラジオから
君が代が流れ、玉音放送
始まるシーンで終わる。https://mobile.twitter.com/kikuya_sumireya/status/1146417041370304513

あとこの時代だから
できたことの一つとして、
制作に関わる人に当事者が
いること。以下の写真は
当時のパンフレットだが、
終戦時の内閣書記官長が
製作顧問にいたり、陸軍
大臣の義弟がコメント
してるとかは今では
もう無理。出演者達の
終戦の感想なども味わい深い
し、本当に時代が生んだ
傑作だと感じる。
https://mobile.twitter.com/kikuya_sumireya/status/1146417043094118401