ストマイつんぼ 大原富枝 1957 角川小説新書シリーズ


結核治療の為に、ストマイを注射していくうちに
左の聴覚を無くした主人公の話。
しかし、闘病云々より、人から離れて暮らし、看病してくれる娘と共に
異性を恋う描写がある、のが
この小説の肝に見える。ストマイは関係ない。
娘が訴える、
「母さんは生きた人。母さんの肌には、昔
母さんが触れた男の匂いがする。それは父さんじゃなくて、男の匂いなの」
とかに、切なさを感じる。