サンケイ・リビングみたいな冊子*2で

「基本喫茶店だけど、たまに2階がライブハウスになります」な
店ができました、という広告を目にする。
 あれ、これってウチの近くやんと思い、散歩がてら出向いてみる。
建物は喫茶店としても小さく見え、これで
どうやってライブやるの?と、外から眺めていると
掃除中に見えた、その店の持ち主から
「あー今、掃除中なんですけど、良かったら見学していって下さい。
僕ら何もオモテナシできない分、全く
お金使わずにもすみますよ(笑)」と呼び止められる。
ありとあらゆる扉が開けっ放しなので
結構中が見えるんだけど、もっと広いの?と中に入ってみる。
「ライブハウスって言ってもね、入るのは20人が
精一杯と思うんですけどね」という声を
・・・10人でいっぱいいっぱいやろ と思いつつ聞き流し、見学終了、移動する。
ガンガン歩き進んでいたら、いつの間にか
心斎橋よりの、本町(?)を歩いていた。
いくら私がよく歩くからって、ここまで歩いていけないよ、
ミナミの外れにも見えるけど、ココどこ?と
思っていたら、日焼けした、チャラチャラした男性が近付いてきて
「ね、ピアスあけない?」と言ってきた。
「え?こんな福耳にあけようとしたら、だいぶ痛い場所に
あけることなるし、ソレでも、この肉厚じゃ、似合わないから遠慮するわ」と
応えると「いやいや、いけるって」。・・・何がだよ。
私が行こうとしている進行方向について来て、
「あー、店、すぐそこだから。ほら」と雑居ビルを指された先は、よく見ると
住居として使われている、古いアパートに見えた。
女性がピアスについて、店員(?)に文句を言っているのも聞こえる。
その持っている針、裁縫の針やん。
 ボッタくるのが目的なんじゃなくて、人の耳に穴を開けたいのか?
「見た目より、痛くない針だよ」と耳に刺そうとしてきた針をかわすも、
手の甲に軽い怪我をした。この状態では、すぐには逃げられない。
「消毒液くらい持ってきて」と言いつけ、その隙に逃げ出す。ヤられてたまるか。
頭ごなしに拒絶したら、逆上するタイプに見えたから
適当に応えてオリを見て逃げるいたけど、それじゃアカンかったのね。
逃げ切るには、どこへどう走ればよいか?を考えながら、
全力疾走するので精一杯。
低木を倒したり、それでカスリ傷を負ったりしながらも、とにかく走る。
ミナミに、こんなに緑の多い所あったんや、知られて
なさそうな場所だから、こっちに逃げたらいいんじゃないか
と思った緑地を、走って奥へと行く。
こんなに走ったのは、高校の体育で4.5km走らされて以来じゃないだろうか?
緑地を抜けた先に、階段があったのでそこに腰掛ける。
走り過ぎでブルブル震えている脚を押さえ、肺が
シンドイのが解るくらいゼーハーしながら
「そもそも、見知らぬ他人にピアスを空けようとする時点で
怖いのに、あれだけ針を振り回しながらも
耳以外には決して空けようとしない、そのこだわりに、よりゾッとしたなぁ」
とか思いつつ、脚をさすっていた。
 30分くらい、そうしていただろうか。
ふと人の気配を感じたので、顔を上げると、さっきの男!
木を倒してまで走ったから、それでココがばれたのか?
「もう、針替えたから」
さっきのより、ずっとショボイ(細い、小さい、という
より、ショボイ!!のだ)針やん!!
それじゃ絶対、一回じゃうまくいかないなぁ〜って
貫通するまで、何度も刺されるやん!
男の腕を必死に抑えるけど、さっき走りまくったので
もう体力があまり残ってない。
ミナミの穴場じゃないか?として自分で選んで入った場所だから、
ヒトケもなく、助けを呼んでも誰も来そうにない。
また、男の振り回す針で、私は怪我してしまったようだけど
もはや、そんなことを気にしている場合じゃない。
必死で抵抗していたら、
宗教論に華を咲かせている(?)、4人が乗った車が見えたので
そこに助けを求め、後ろの席に既に3人が乗っていて
苦しいんだけど乗せてもらい、どうにか逃げられた。
ゼーハーしながら、車の中で被害届け出しに行くとして・・
あー、何故か、あの男、自分の本名を名乗っていたな・・・そういう
誠実さ(?)を見せようとする分、余計怖かったんだ・・
でも、肝心の名前忘れた・・
この助けてくれた人たち、
(会話を聞いて)新興宗教の人たちなんだ・・
目的の駅以外で降ろしてもらった方がいいかな・・・
でも、警察に行く際に近くにいたら、この人らに
私の住所とか、その時点で知られてしまうかも・・・
とか思っていたら、目が覚めた。