古典の中の愛のかたち 中里富美雄1986.12.15三省堂選書134 ISBN:4385431345

①今昔物語
28巻の第一話にある、伏見の稲荷神社に参詣する男の話〜
美女がいる!とナンパをしたら、
「奥さんがいる男性の言う事は信じられない」と
断られたんで、
「あんな不細工なうえ、性格の悪い女とは別れるつもりだ」と
言ったところ、ひっぱたかれる。その女は、男の嫁だった。
宇治拾遺物語
不細工な息子を
「天下にまたとない美男子」と言って、
両親は金持ちの家への婿入りの手筈を整える。
婿入りの日、息子の家が用意した人間が天井に隠れ、鬼を装って
「この家の娘を手に入れたのは俺なのに、
婿入りしてくる男がいるとは。許さん。
命と顔、どっちが欲しいか」と脅しをかけてき、
これに「命」と応えると…
美男子(ということになっていた)の婿が不細工に!
哀れに思った舅は、鬼が来るような家は不吉だ、と
新居をはじめ、財産を婿に渡す。
とはずがたり
不敬の書と見做されていたので、広く読まれるようになったのは
昭和40年代に入ってから。
作者の後深草院二条は、源氏物語に憧れた院(29歳)に、
14歳の時に手をつけられた。彼女の親は承諾していた
…って、そういう問題じゃないんだが。
彼女には、それ以前から恋人がいて、
二条が里帰りした際に会った、その
恋人の子を身籠もってしまう。
自分の愛人(二条)を、
弟の相手や貴族に取り持つ、院の意図は解らない。
④好色一代女
(いくつかの一つ)12〜15歳が腰元ざかりと言うが
8人も堕胎した30女性がウブっぽく
仕えに出、主人を誘惑、おかみさんを
呪い殺そうとしたのがバレ、家から追い出される。