小説宝石 2006年 07月号 [雑誌]

小説宝石 2006年 07月号 ISBN:B000FWGXCC 光文社 2006/06/22

出版社のサイトには、この小説の粗筋紹介は

岩井志麻子「虎とあの子が煙草を吸っていた頃」
母親への思慕を抱く直也が愛したソープ嬢を追いかけて韓国へ

となっていて、性愛小説かと思わせるものの、本誌を手に取ると
題名のすぐ近くに
「あるところに 俺様がおりまして・・」という副題(?)が
示すように、話のメインは性愛ではない。
粗筋が示すように、勿論性的な描写もあるけど、主人公の男性は
なるべくして俺様になったんだなぁ、というのが
メインだと思う。
主人公がダメ男、というのは珍しくない話なのに、読み手に
「どうダメか」「何故こうもダメか」など、細かい部分に
気を散らさせず、全体を通して
「この人は、なるべくしてこうなった」と納得させられる物語だ。