鈴木涼美

『「AV女優」の社会学』著者が慶應SFCの学部時代に書いた
レポートを元にした東大大学院での
修士論文を元にした本であり、
つまり基本的に学術論文の体裁を
採っているのだが、にもかかわらず、
どうしてだか、まるで
一編の小説を読んだかのよう
な読後感が残った。
https://twitter.com/sasakiatsushi/status/355878997600641024

「性の商品化」にかんする数多の「自由意志論」が陥っている「空中戦」の成果と貢献は最大限に認めつつも、「AV女優/AV業界」という特別な対象に実地にへばりつくことで、搾取VS能動という二項対立を解体し、個人の中に「自由意志」と呼ばれ得るものが如何にして醸造されるのかを明らかにする。
https://twitter.com/sasakiatsushi/status/355880694095949824

鈴木氏の筆致には、社会学的な視点を、数年にわたってAV業界に深くかかわった者の実感が、更には自分自身が「性の商品化」の対象となり得る若い女性であるという自覚が、随所で喰い破り、或いはそれらを更にアカデミックスキルが喰い破ってくるという、知的/情動的なダイナミズムがある。
https://twitter.com/sasakiatsushi/status/355881703975297026

「AV女優」という存在が、どのようにして誕生し、そしてどのように個々の女の子が「AV女優であること」を内面化してゆくことになるのかを、主に「面接」という行為をつぶさに分析することで、丹念に描き出してゆく。もちろん、そのスタンスは「AV」に余りに甘過ぎる、という批判はあるだろう。
https://twitter.com/sasakiatsushi/status/355882606967005186