新興俳句

西東三鬼全句集 1983.11 沖積舎

解説にある、
「三鬼自体はフツーなのに、周りで
突飛な出来事が生じ、目撃者となる」
を目にして、この本に載っている、俳句ではない、
神戸のナイトクラブ描写は、あながち
フィクションではないのか?と「?」が更に増えた。
昭和15年、官憲に京大俳句が監視された、とあるが
飄々としたイメージがあるからか、監視するほどか?
と思うも、この時勢に何飄々としてんだ、と
目をつけられたんだろうか。

  • 女医の手に 抜かれし臓腑 湯気を立つ
  • びびびびと 死にゆく大蛾 ジャズ起る
  • 真昼の湯 子の陰毛の黒きかな
  • 塩田や働く事は俯向く事
  • シナゴーグ*1の夕さり閑雅なる微熱
  • おそるべき 君らの乳房 夏来(きた)る
  • 死顔や 林檎硬くて うまくて泣く
  • 駄犬駄人 冬日わかちて浜に臥す
  • ひよどりの やくざ健やか 朝日の樹
  • 父と兄 癌もて呼ぶか彼岸花
  • 阿呆富みて 春は明るく健康に

蚊柱の 礎となる 捨子かな
↑これも三鬼の作品としてメモってたけど、
検索したら他の人の名前が出る・・ので、
また本を読み直す。
後日書き足し↓。hugoさん経由
http://twitter.com/ofellabuta/status/74529727615995905
で知った、西東三鬼についてのサイトもココにメモっとく。
www5c.biglobe.ne.jp/~n32e131/haiku/sanki.html

*1:ここは漢字