ブラックジョークではなく、生命賛美としての話

水木しげる80の秘密 角川書店 2002.7 Kwai books シリーズ ISBN:404883763X


呉智英の頁が、一番面白い。
水木しげるラバウル通いが始まった頃、
「(他の人が)戦地に何故わざわざ行くのか、解らなかったが」
と語るのを聞く。呉が

戦争体験者は自責の念を語る。
戦後初めてラバウル再訪した日のことを私に語っている。
死んでいった戦友たち、生きのびた自分。

と綴るも、その先にあるのは

「戦友たちは、うまいものも食えずに若くして死んでいったんですよ。
その戦地に立って、ああ、自分は
こうして生きていると思うとですなぁ」
水木しげるは確信を込めて言った。「愉快になるんですよ」

涙出るほど笑ったそうな。