ウリ専で男を指名する

特に好みではないのに、何故呼び寄せてしまったのか、解らない。
パッと見、特徴のない子に感じたけど、近くで見たら
表情によって同一人物とは思えない程、顔が違って見える事に気付いた。
アシメトリーな顔で、中田ヒデに少し(ほんと少し)似てる。
産毛が多くて、男性なのに口周りだけ濃くなってない、のは
どういう事なんだろう、と思うも、恥ずかしくてちゃんと顔を見られない。
店の壁紙や床に視線を落とすも、別に見るべき物もない。マツコ似のママが、
場の空気を和ませるべく、喋りながらしゃぶしゃぶの用意をしてくれた。
「しゃぶしゃぶなのに、焼肉っぽくない?」
「こういう遣り方もあるのよ」
場は和んだけど、
「買っといて、今更照れてんのかよ!」という自分ツッコミが
あるんで、モジモジしてしまうのは、かわりようがない。
ここで何を言っても、場を繕おうとしている自分、が浮きぼりになるだけだ。
そんな私の気分を察したママが、
「あんたって、綺麗に筋肉ついてるのに、感触はデブといっしょなのよねぇ」
とボーイの脚を触る。ママが言いかけた時点で彼の脚がスッと出され、
思わず触ってしまった。めっちゃ柔らかいやん。こんなにスラッと
してるのに、弾力が筋肉質の脚の弾力じゃない。
「食事時に御行儀が悪くなっちゃうけど..立て膝にしててくれへん?」。
鍋の前にて、彼の脚にもたれてみた。触る事で、こんなに緊張て
解けてしまうんだ、という思いと、
買ったからには、するんだよな、という気持ちがないまぜになった。
「ショートだから三時間か。店から連れ出して移動の時間を一時間とすると..」
と考えた時点で、
「あれ、3時間てコースあったっけ?ショートって六時間じゃ?」とか
思ったところで、目が覚めた。