成瀬始子の装丁デザインが格好いい

聖(セント)マルクス教会炎上 草間弥生 ISBN:4891940999 Parco出版  1985.4

この小説自体よりも、中上健二の推薦文の方が素敵だ。

この「聖マルクス教会炎上」を私は作品と呼んで貶めたくない。
これは私の小説群を単純に、無媒介に作品と呼ばれたくないという思いと
同じである。
もうサント・ブーブやせいぜいチボーデあたりの、用語使いには飽きたのだ。
文壇という農村の作家や、編集者という農耕定住者は
チボーデの理論を振り回していればよいが、私達は違う。
草間は自分の仕事をパフォーマンス(制作)と呼ぶだろうか、ワーク(仕事)と
呼ぶだろうか。私はこの草間の「聖マルクス教会炎上」に
ベイトソンらが作った、ある種の精神の傾向をいう用語である、
生成分裂という言葉を使いたい。