店長が執筆

新宿二丁目ウリセン物語

新宿二丁目ウリセン物語 飛川直也 ISBN:4309016634 河出書房新社 2004/09/17

店の雰囲気や、ボーイの話が色々掲載されている。
たくさん紹介しようとするあまり、一つ一つの話は短く、その話の
信憑性が見えてこない。(著者も、ボーイの前歴などを紹介しながら
「本当かどうかは、解らない」と。
しかし、儲けられればいいというような、信頼関係がない状態ではない)
数々の「もっともらしい話」「嘘みたいな話」が挙げられていて
どれが本当か嘘かなんて、読み進んでいくうちに、どうでもよくなってくる。
「同世代より明らかに稼げるから、タガが外れ、すぐ取り返せるから、と
ギャンブルにはしり、気が付けば借金を背負って」しまうボーイや
「金払ったんだから」とデリカシーのない振る舞いをする客など
ノンケの風俗でも見かけそうな話も多い。
  面接時に
「この仕事は最初で最後の仕事だよ。
若さを売り、自分を売る。だから金を貯めてサッサと辞めて
社会に飛び立ちなさい」と言っている著者のセリフが、
この本の雰囲気を象徴しているように思えた。