昭和17年ミッドウェー海戦の頃に

放送局の懇談会でタレントの

徳川夢声が、米軍の短波受信網に

向けて架空のデタラメ言語を

送りつけて敵を面食らわせる

作戦を提案しました。

夢声自体はそこまで本気でなかった

ようですが、「七人の侍」の琵琶

法師役などで有名な個性派俳優の

上山草人がそれを実行しました
https://mobile.twitter.com/monomane1105/status/1091892025220202496

草人はインチキ言語の中に英語を少し

織り交ぜた訳の分からない音声の

録音盤を短波で毎日送りつけました。

いつもは日本が何かを送ると向うからも

野次や挑発が返ってくるのに上山の

インチキ言語には一切応答がなかった

とのことで、夢声の予想通り

相手も面食らったようです。
https://mobile.twitter.com/monomane1105/status/1091892126797844480

草人の成功に喜んだ発案者の夢声は、

今度は直々に計画実行に乗りだします。

あまりに適当だとすぐに架空の言語だと

ばれるので

オリジナルの文法や語尾変化を

設定し、節までつけて訳は分からない

ながらも実在の言語としか思えない程に

洗練されたデタラメを送り付け

これまた上手くいったとのことです。
https://mobile.twitter.com/monomane1105/status/1091892199229255680

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夢声、草人によるこのデタラメ言語は

後の藤村有弘によるイタリア語もどきの

「ドルチャメンテコチャメンテ」、

タモリハナモゲラ語など「言語の

ものまね」の先祖とも言えるもの

です。そして、夢声のインチキ

言語作戦と同時期にもう一つの

対米ものまね軍事作戦が

古川ロッパによって実行されています。 

https://mobile.twitter.com/monomane1105/status/1091892285422284800

古川ロッパは当時のアメリカ大統領

ルーズベルトのものまねで

「神よ、助け給え、神も、助け給え。

ルーズベルトの〇〇〇〇は

日毎につのり、ムチャクチャな

号令ばかり掛けて居ります。

助けたまえ。ゴッデム!」

という、相当に差別的かつ

挑発的なフレーズを

英語でアメリカに送りつけたそうです。
https://mobile.twitter.com/monomane1105/status/1091892491907870722

米国側が「ルーズベルト大統領は

日本捕虜に楽園を与え給うた。

感謝したまえ」とやり返してきた

ので、ロッパは米兵捕虜の声色で

「ああ、うるわしき日本よ、何故

私は青い目玉のヤンキーに生まれた

のか。ああ、美しきフジヤマよ、

もうアメリカとはグッドバイ

したい!」とこれまた

ひどい挑発をしたとか。 

https://mobile.twitter.com/monomane1105/status/1091892635013238784

インテリのロッパらしく

ルーズベルトと一兵卒の英語を

使い分けたものまねは

かなり質が高いものだったよう

です。これらのエピソードは夢声

夢声戦争日記」や吉川義雄

「芸能らくがき帖」に記述され、

それを種村季弘が「贋物漫遊記」

にまとめています。
https://mobile.twitter.com/monomane1105/status/1091893161163554816